井波日本遺産

宮大工の鑿一丁から生まれた
木彫刻美術館・井波

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日本遺産の思い

TOP INTERVIEW
島田 優平 木工業
日本遺産ワーキンググループ座長
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三谷 直樹 井波地域づくり協議会会長
日本遺産推進協議会会長

未来のための、土台をつくる。  (島田)

日本遺産は地域の文化を世界に発信し、インバウンドをはじめ、人の流れを呼び込む魅力推進事業ですが、私個人の思いとしては、地域と改めて向き合う機会だと捉えています。

まちづくりの土台となるのは、やはり人づくりです。これから未来を担う子どもたちが、地域に誇りをもち、まちづくりに興味を持ってもらうためには、まず私たちがイキイキと活動し、魅力ある大人になっていくことが重要です。時にはつまずきながらも、背中を見せ続けていくことが、我々責任世代の務めだと思っています。

日本遺産に認定していただいたおかげで、滞っていた活動に取り組むきっかけにもなり、この事業がなければ一体どうなっていただろうと、関係者の皆様には感謝してもしきれません。これらの事業に関わりながら、井波の長所や魅力を掘り下げ、どういった方向に発展すればいいか、将来に向けて土台を固め、未来を創る源泉となりうる人材、ネットワークを構築していきたいと思います。

若い世代へ、まちづくりの橋渡しを。  (三谷)

2018年、井波が日本遺産に認定されました。文化財、食や祭りなど、井波が誇る有形・無形のものをストーリー化し、人を呼びこもうという取り組みです。

私は役所に40年間勤務し、多くの部署を経験しながら井波のまちと向き合ってきました。役所での勤めを終え、お世話になったまちに恩返ししたいと思ったとき、ふと、自分たちがまちづくりをして、若者は喜んでくれるだろうか? という疑問がわき、若くてやる気のある人の活動をサポートしたいと願うようになりました。

井波は学校などの学び舎、仕事場、病院、介護施設もあり、子どもから高齢者まで住み続けることができるまちです。なおかつ、日本遺産に認定されたことで、地域住民が文化性を高め、訪れる人との豊かな交流が生まれる可能性も秘めています。まちの未来をつくる若い人材を育てるために私たちは黒子に徹し、その成長を支え、見守りたいと思います。

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踊り屋体・クライドファンディングについて

祭りを彩る「踊り屋体」が復活するまで。

春の風物詩、井波八幡宮の春季例祭。かつてこの祭りは、男子が勇壮に舞う「獅子舞」とともに、女子が艶やかに踊り舞う「踊り屋体」がまちを彩っていました。しかし屋体の引手や踊り子の不足により、2008年にやむなく廃止。このままでは消滅の危機にあった踊り屋体を新たに井波彫刻で装飾し、まちのシンボルとして復活させるプロジェクトが2018年に発足しました。

10年間、蔵で眠っていた無装飾の屋体を、日本遺産事業の一環として、井波彫刻組合員の手で数カ月かけて装飾。また踊り子育成、衣装や小物、着付けなどの費用を集める名目で、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを募り、目標100万円のところ108万円集まり達成。素人の踊り子に日本舞踊を一から教え、着物や装飾品、提灯、屏風など細部まで本物にこだわった踊り屋体が2019年春季例祭に初披露されました。

踊り屋体は、火事や人手不足でこれまでに2回廃止され、その都度よみがえってきました。ただ復活するのではなく、古いものを遺しながらアップデートする姿勢は、井波彫刻の技術や、文化的な土壌があるからこそかもしれません。この貴重な踊り屋体を、これからも守り続けます。

踊り屋台が披露されたおもな行事(2019)
井波八幡宮春季例祭(井波よいやさ祭り)、南砺市いなみ国際木彫刻キャンプ2019、
南砺獅子舞 令和元年 夏の陣、まちなみアート など

クラウドファンディング出資者様

辻明信 様
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藤井圭一 様
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中嶋勝彦 様
 
島田勝由 様
 
小倉食料品店 小倉朗 様
 
大建工業株式会社 井波工場 様
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Utsubo Stock 様
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村松稔文 様
 
海野進中小企業診断士事務所 様
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井波彫刻協同組合 様
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他、クラウドファンディングにご支援・ご協力いただいた皆様、
誠にありがとうございます。


(MA)Pプロジェクトについて

新たな文化の「源泉」となる人づくり。

井波の開町から600余年の歴史の間に、まちの進化を牽引する人材がたびたび登場しました。例えば、井波彫刻が誕生するきっかけを作った宮大工の前川三四郎。火災で焼失した井波別院瑞泉寺の再建のために京都から来訪し、井波の青年たちに社寺彫刻の技術を伝えたのです。

このような新しい文化の「源泉」となる可能性を秘めた人材の滞在・移住を促し、地元住民が活動に関わり(伴走)、カルチャーを育てていく「人づくりのしくみ」が、(MA)Pプロジェクトです。例えば、住居探しや副業支援などを行う「つながりサポート」、プロジェクトの立ち上げを専門家とともに支える「メンター制度」、事業を継続・発展させるために、まち全体で支援する「マスターラウンジ制度」など、単なる移住対策ではなく、人を育てて輩出し、井波から新しい文化を創造するしくみです。

文化の風はつねに外からやってきます。井波という土壌で人々が能力を開花させ、それに触発されて人がまた訪れる―。このように人と人、人と文化の循環をめざして、井波を知り尽くした伴走者たちが未来の源泉となるチャレンジを支えます。